結核は昔の病気と思いがちですが、現代の日本にも存在しています。では、結核とはどんな症状なのでしょうか。

結核の治療方法

結核の治療について知りたい! 結核は治せる病気です

現代において、結核は適切な治療のもとに完治させることのできる病です。しかし、ある程度の期間きちんと服薬しなくてはならないなど、決して簡単な道のりというわけではありません。結核の治療について知っておきましょう。

結核の治療期間はどれくらい?

病院結核と診断され、結核菌が排出されていることが確認された場合は、結核感染の広がりを防ぐため、法律で規定された入院治療が始まります。平均では2-3か月程度の入院が一般的のようです。入院を経て菌が排出されなくなれば通院治療に切り替わりますが、この時点でまだ体内には菌が残っていますので、さらに数か月の服薬が必要です。
経過が良好でなかったり、誤った服薬のために「多剤耐性結核」になってしまった場合はさらに長期間の治療が必要となる場合があります。

抗結核薬の副作用にはどんなものがある?

抗結核薬だけでなく、薬には必ず副作用と呼ばれる反応が生じます。これは体に対する作用の裏表というべきもので、服薬治療には避けて通れないものです。結核治療に使われる抗結核薬もその例外ではありません。
抗結核薬は十数種類あります。結核菌を根絶やしにすることを目的にして使用するため、その人に効果のある抗結核薬三種類以上を同時に使用したうえ、最低6か月間は飲む必要があるとされています。
副作用は薬によって違い、人によっても出てくる反応が違いますが、抗結核薬は基本的に肝臓に負担がかかりやすく、肝臓に疾患がある方はもちろん、乳幼児や高齢者、妊婦の方などは投薬時に注意が必要です。







治療費用の補助について知りたい!

結核は法定感染症であるため、医療費の公的負担制度があります。入院治療が行われた場合は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき、治療費は健康保険と公費とで負担されることになっています。
外来での治療の場合も補助はありますが、自己負担額は健康保険の種類によって異なるようです。

結核は治せる病気です!

ドクターどんな病気でも残念ながら回復しないことはありますが、結核は現代においては早期発見と正しい治療で完治を目指せる病です。
早期発見には症状などへの正しい理解が必要ですし、また、結核の治療にはある程度長い期間、正しく薬を飲まなくてはならないなど厳密さも求められます。患者さんに対する周囲のサポートや声援があることで、より治療に対するモチベーションも高まることでしょう。積極的に理解を深めることで、結核の予防と病気からの回復に貢献していきましょう。

参考資料

結核について 結核Q&A 公益財団法人結核予防会
「結核医療の基準」 の見直し―2014年 2014年 7 月   日本結核病学会治療委員会

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

清瀬と結核(サナトリウムについて)

日本における結核療養所の歴史と時期区分に関する考察

『結核の歴史』青木正和,講談社,2003
『結核を防ぐ、治す』森亨,講談社,2009