結核は昔の病気と思いがちですが、現代の日本にも存在しています。では、結核とはどんな症状なのでしょうか。

結核の治療薬

結核の化学療法とは? 治療薬にはどんなものがあるか

結核はかつて有効な薬がなく、かかれば死に至る病として恐れられていました。しかし結核菌に対して効果のある「抗結核薬」が開発されたことで、現在では適切な治療を受ければ完治を目指せる病気となりました。治療の中心である化学療法について知りましょう。。

「抗結核薬」の登場で、結核は「治る病気」になった!

明治時代から日本で大流行した結核は、当時は効果的な薬がありませんでした。肺にメスを入れる外科的療法や高原で療養するサナトリウム療法などが行われていましたが、結核の感染拡大には歯が立ちませんでした。
そんな結核医療の状況が劇的に改善されるきっかけとなったのは、日本では終戦直後の1947年に結核に効果のある薬「ストレプトマイシン」が使われ始めたことでした。
このストレプトマイシンの登場、またそれに続く抗結核薬の発見を経て、1970年代に「リファンピシン」が実際に用いられるようになると、抗結核薬の投与を中心とした化学療法が確立、手術や効果の薄い療法に頼らずとも結核は完治できる病となったのです。

「抗結核薬」にはどんな種類があるの?

現代では結核の治療の中心は、結核菌に有効な抗結核薬を適切に服用することです。
現在、抗結核薬としては十数種類が用いられますが、一つの種類だけを使うと、その薬に対する耐性を結核菌が持ちやすいため、その患者さんの病巣に対して効果を持つと評価された3種類以上の抗結核薬を6か月以上服用することが治療の基本とされています。
抗結核薬投与の中心に薬特に効果がある薬として中心に使われるものには、歴史のある「ストレプトマイシン」「リファンピシン」をはじめとして、「ピラジナミド」「イソニアジド」「エタンブノール」などが挙げられます。
複数種類を長期間飲むのであれば薬価についても気になる方がいらっしゃるかもしれませんが、法廷感染症である結核に対する治療であれば投薬についても公費助成が受けられます。収入や加入している健康保険の種類、また入院治療・通院治療にもよりますが、一般的に重い負担がかかることはないようです。安心して治療に臨みましょう。







「DOTS」で確実な投薬治療を!

抗結核薬に期待される効果は結核菌の撲滅です。撲滅を達成するめには医療基準による治療法に沿った計画的な服薬が必要です。
患者さんの自己判断できちんと薬を飲まなかったり、飲み合わせを間違えてしまうと効果が薄れてしまうだけでなく、結核菌がその薬への耐性を持つように変化してしまう「多剤性結核」につながる可能性があります。
多剤性結核を発病してしまうと治療がいっそう困難になってしまいますので、患者さん自身がきちんと服薬できるように見守り、支援する「DOTS(対面服薬短期療法)」が行われています。
入院中は医療関係者の立ち会いのもとに正しく薬を服用し、退院した後も引き続き地域DOTSの支援を受けることができます。
退院の基準は基本的に菌が排出されなくなったということであり、体内の菌がいなくなったというわけではありませんので投薬治療は続けなければなりません。本人の強い意志はもちろん、周囲のサポートが再発や耐性菌の発生を予防することにつながるのです。

参考資料

Ⅲ.抗菌薬の諸問題 3.抗結核薬の進歩

「結核患者に対するDOTS(直接服薬確認療法)の推進について」の一部改正について http://www.jata.or.jp/dl/pdf/law/2015/0521_1.pdf

『結核を防ぐ、治す』森亨,講談社,2009