結核は昔の病気と思いがちですが、現代の日本にも存在しています。では、結核とはどんな症状なのでしょうか。

結核の怖さ

「昔の病気」と侮らないで! 身近に潜む「結核」という病

日本でかつて大流行し、それを原因に亡くなる方も多かった「結核」という病気。1940年代をピークに患者数、死亡者数が急速に減ったため、現在ではあまり注目されていない病のひとつですが、実は今でも流行の可能性があるのです。結核について正しい理解を持ち、予防に努めましょう。

日本で結核が流行ったのはいつ? 現在の状況は?

戦後結核とは、結核菌による感染から発症する病です。主に肺に炎症がおこることでくしゃみや咳き込みが断続的に続いたり、微熱が長引いたりといった症状が出ます。病気が進行してしまうと血が混じった痰や血を吐いたりし、最悪の場合は呼吸困難などによって死亡することもある病気です。

日本では明治時代(1930年代ごろ)から終戦(1940年代ごろ)にかけて大流行し、一時は死亡原因のトップとなるなど「死の病」としてたいへん恐れられていました。

一方、終戦直後からは結核に対する正しい知識の確立、医療の進歩、国民の栄養状態の改善などという要因で結核にかかる人の数が急速に少なくなったため、当時と比較して「昔の病気」「終わった病」というイメージを持つ方も多いようです。

しかし、日本では現在でも10万人に15.4人がかかっている病気で、この罹患率は欧米諸国と比較すると非常に高く、なんと米国の約6倍、ドイツ・オーストラリアの3倍にもあたります。結核は「昔の病気」などではないのです。







結核にかかりやすい人とは

高齢者結核の始まりは、結核患者の咳やくしゃみで空気中に放出された結核菌を吸い込むことですが、吸い込んだだけで全員が発病するわけではありません。

吸い込んだ菌は体の抵抗力で外に出されるか、万が一体内に入っても免疫によって抑え込まれた状態になり、一生発病しない場合もあります。

残念ながら、どういったことがきっかけで菌が増殖し発病に至るかは、まだはっきりとわかっていませんが、免疫力を落とさない健康的な生活を送ることが結核予防の重要なポイントとされています。

また、近年では結核患者として新規登録されている方の約5割が70歳以上の高齢者です。この中には、過去に結核菌に感染したものの症状が出なかった方が年をとって発病した事例も多いと考えられています。

特に高齢者の方々にとっては、体の抵抗力を落とさない食事や生活習慣について意識を高め、日々実践することが大切だと言えるでしょう。

結核について正しい知識を持ち、予防に努めよう

今まで見てきたように、結核はどんな人でもかかりうる病です。

特に免疫力の低い子どもや高齢者がかかった場合や、HIV感染者が合併症として罹患した場合は命の危険が増す深刻な病気です。

結核という病気を正しく理解して予防と早期発見につなげ、流行を防ぐように心がけていきましょう。

 

 

参考資料

結核の歴史(結核予防会)

罹患率(厚生労働省)

死亡原因順位(東京都健康安全研究センター)

発病の原因(結核予防会)