結核は昔の病気と思いがちですが、現代の日本にも存在しています。では、結核とはどんな症状なのでしょうか。

結核の検査方法

結核かどうかを判断する検査にはどのようなものがある?

結核の感染を判断するには、医療機関で体の中に結核菌がいるかどうかを調べる検査を受ける必要があります。どんな検査から何がわかるのかを見ていきましょう。

感染を調べる調査―ツベルクリン反応検査とQFT検査

結核においては、菌が体の中に入り込んだ状態を「感染」、さらにそこから菌が増殖し、各部位に障害を引き起こして症状が出てくることを「発病」と言います。
結核は、感染しただけでは症状が出ない人もいるという分かりにくい病なのですが、症状が表に現れているかどうかに関わらず、結核に感染しているかどうかを検討できる2種類の検査があります。
一般の成人の皆さんの中には、過去、学校で「ツベルクリン反応検査」を受けたことを覚えている方も多いのではないでしょうか。
ツベルクリン反応検査とは、結核に対する免疫の強さを見る検査で、結核菌を培養した中から取り出したPPDというたんぱく質を注射し、48時間後の反応を調べるものです。直径10ミリ以上腫れた場合は陽性とされ、大きな反応を示した場合結核に感染している可能性があります。
ただし、このツベルクリン反応はBCG接種を受けた人にも現れたり、結核菌の感染後約8週間経たないと反応が出なかったりなど補助的な診断にとどまる側面もあり、2003年度からは学校での集団検査は廃止となりました。現在は家族内感染や集団感染が疑われる場合の検査として行われています。
また、BCG接種に影響を受けない検査としてQFT検査があります。この検査は、結核菌が持つタンパク質で刺激した際に血液のリンパ球が反応するかどうかを調べる検査です。
こちらの検査にも、陽性であった場合細菌の感染か過去の感染か判断ができないことや、年齢が低い場合に感染していても陰性となることがあるなどの注意点があります。







発病を判断するための二大検査

病院では結核患者の約8割が肺を病巣とした「肺結核」を患うために、まずは肺の状態を調べるのが一般的です。
一つ目が肺の画像診断です。X線によるレントゲン写真やCTスキャンによる画像で、肺自体に変異が起きていないかを調べます。結核の症状が進んでいる場合は菌による組織破壊が画像として表れます。
二つ目は痰の検査です。症状が進むと痰の中に結核菌が出てくるので、その存在の有無を調べます。痰の検査は、痰をガラス板に塗り染色して顕微鏡で観察する「塗抹検査」、痰に住む細菌を培養して観察する「培養検査」、結核菌の遺伝子を検出する「核酸増幅検査」、など複数の検査を組み合わせて特に念入りに行われます。
画像による診断と痰の検査は結核を発病しているかどうかを判断するために欠かせない重要な二大検査です。
結核の治療には早期発見が非常に有効です。長引く咳や痰など、少しでも気になる症状がある場合は、ためらわずに医療機関で受診してください。

参考サイト
結核の検査にはどのようなものがありますか? 新潟市.html

ツベルクリン反応検査やQFT検査は何を調べる検査? 新潟市.html

『結核を防ぐ、治す』森亨,講談社,2009